女性写真家10人の目線が映しだす空気感から感じるもの、伝わること、広がる世界
アーティストとしても、一人の人間としても魅力たっぷりに輝いている10人の女性写真家たちです。だからこそ、当然なのですが、創造する作品の世界観や受ける印象は全く違います。独自のスタイルを持っていることの格好良さにも惹かれます。シャッターを切り、焼き付けする過程に、こんなにもたくさんの表現方法があることに驚きます。きれいだな、可愛いな、素敵だな、いいなあ、
そんな心が洗われるような気持ちもあれば、ドキドキが止まらなくなったり、目が離せなくなったり、胸をギュッとわしづかみにされるような作品もあります。視野が広がったり、今までにない感覚を呼び覚ませてくれたり、写真の魅力、アートの力ってあらためてすごいなあって思います。
関根 綾
ロンドン在住の写真家さんです。「ガーリーな世界観がイギリス、日本のみならず国際的に注目を集めて・・・」と評されるとおり、2年前の個展 ”Roz, Lucie, Jessie and Martha” では、少女の透明感と大人との狭間に揺れる心情を見事に映されていました。まぶしいほどの光と柔らかい影にあの頃を思い出しキュンとなりました。
仲田 梨枝
モデルさんから人気の高い仲田さん。パリで積極的に学び、活動され、2004年に帰国されてからはファッション界、雑誌、広告、カタログなど多方面で活躍されています。女性を被写体にしたポートレイトも良いですが、私は断然ランドスケープ派です。
内田亜里
現在、ポーラ美術振興財団在外研修員としてインドに滞在し創作活動をされている亜里さん。モノクロームなランドスケープが多いのですが、道具や風景や人の近影の切り取り方に心を奪われました。ブログから届くインドフォト便りがまた良くて。特に子供たちのキラキラ輝く瞳は最高です。帰国後の個展が待ち遠しいです。
高木こずえ
デビュー直後から数々の賞に輝く華やかな経歴。期待と注目の新人、高木こずえさん。幼少期を過ごした諏訪で100日も撮影し、半年かけて加工された写真集『suzu』。「大きな欠落に思えた」「はるか遠くで鳴る小さな鈴の音をどうにか聞き取っていくような作業だった」と話されたその時間に対して正面から誠実に向き合っている感じが痛いほどに伝わってきます。思い当たるその時間、共感、な一冊です。
石川奈都子
あえて、の逆光、露出オーバー、遅めのシャッタースピード・・・ふんわり、柔らかなプリントが流行りのような今にあって、対極にあるような清々しく色鮮やかな作品に新鮮さを覚えます。凛とした美しさと女性らしい優しさに惹き付けられる才色兼備、美人な作品です。
角田 明子
「可愛くてやさしい光と時間」をメインテーマに創造されるそんな作品に共通するイメージはピュアな夢見る女の子。癒されたいな、と思った時に心を洗い流してくれるようなそんな作品です。
川内倫子
写真って人柄が出るんだな、と教えてくれたのは川内さんでした。有名すぎる個性派写真家さんは別として、どんな人にも視点があること。同じ場所から同じ風景を見ていても経験や心情やその人が過ごしてきた時間が、ピントも角度も明るさも違う世界を見ていたりする。写真を通して川内さんの見ている世界を想像するのが好きです。
原田奈々
晴れた日に見上げる空、ちょっとワクワクする気持ち、あと、クラスで一番人気の女の子、みたいな・・・。そんな写真なんです。特別じゃない日常こそ一番楽しい場所じゃなくっちゃ、身近にある幸せが大切なんだよ、って教えてくれているような、原田さんの作品には元気と幸せが詰まっています。
藤原江理奈
荒木経惟氏に選ばれ受賞、誰に選ばれても賞はすごいけど、「感じたらポッと撮っちゃうのが良い」とか氏ならではの賛辞の数々により興味が深まりました、、、影響されやすいんですよね。実際、被写体の目線の鋭さや色っぽさにドキッとさせられます。ドキドキが止まらなくなる写真っていいな、って思います。
miyuu
同じ高さからまっすぐにふたりを見つめている写真、その先にはカメラ。持て余す空間がおもしろかったり、ちょっと外した目線とか、アングルもいろいろ、その定まってない感じが魅力なんだなあとじんわり。その時々の心情がそこにあるんだな、と想像してみた時、たくさんの物語が浮かびます。
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