Friday, September 7, 2012

クリエイティブな独自の世界観を表現する女性写真家10人


写真家のアートワークのひとつに「実験的な探求」があります。テーマはそれぞれ。見えないものを写したい、知らないことを知りたい、自然や宇宙の不思議を作品に投影したり、言葉にならない感情を表現したり。そんな1枚の背景には撮る側、撮られる側、両者の時間がシャッターを切るその瞬間も流れていて、偶然か必然か、クロスした一瞬が作品として現れる。そこには目に見えない煌めきだったり、神秘だったり、奇跡や発見、幸福、愛情、悲哀、憎悪・・・
が写っていたりするから面白いしやめられないそうです。想定していたものを写せたことに喜び、想像していなかったものが写っていたことにも喜ぶ。実験的に探求された作品は写真家の生き様のように思えます。一歩も二歩も先を見ているような聡明さ、広い視野とセンスの良さ、そこに一心不乱に邁進する姿の美しさや誠実さや強い信念、たくましさ・・・、いろんなものが見えてきて・・・すごすぎる、思わずうなってしまいました。






市橋織江
リアルなのに思い出のような、アルバムをめくっているような錯覚、どこか懐かしい感じの漂う独特の色味。なのに、ニュアンスが難しいのだけど、過去でも思い出でも決してなくて、逆に新鮮さを感じたりもするから不思議です。メルヘンや可愛らしさのチョイスや定義付けのセンスが良いだけじゃなく、プラスαな何かで映し出された世界観に共感する女子が多い理由はひとつではなさそう。ちょっと寂しい幻想的な雰囲気に詩的な美しさも感じます。最近は映像のお仕事も。写真とは違うアートワークが楽しめます。




大橋愛:EYE Ohashi
大橋さんのロマンチックやファンタジーは大人の視点。洗練された美しさが際立っています。少女っぽさや甘ったるさがないのが魅力で、可愛い大人ではなく、大人びた子供、そんな印象です。大橋さんの作品に欠かせないアイコンのひとつがシャボン玉です。それは息づかいや煌めき、柔かさや優しさがそこにあることを感じさせてくれるスイッチのような…ぐっと作品に近づけた思いです。俯瞰撮影の作品もすごく良いです。




村上友重
「『見えない』という現象に惹かれている。」2010年付け statement での村上さんの声です。 “見えないものの「その先」へ辿り着く過程で写真にのみ現れる世界を写すこと、そしてそのアートワークを更なる高みへと研鑽すること” を苦しみながらも楽しんでおられるように感じます。作品を拝見するとまさにその世界が広がっていて、水、宇宙、大地、植物、生きもの…、自然やいのちの神秘、日常の一瞬にある永遠。鑑賞者が扉を開けるための鍵のような作品。「その先」は各々の感性が導くままに。




MIKA POSA
どの作品の中にも可愛いとカッコイイとオシャレがバランス良く詰まっています。一瞬の煌めきを逃さない最高のカット。人にもモノにも愛情たっぷりな優しい視線、暖かさや包容力、明るさや元気、そこから感じるものを挙げるときりがありません。キャスティングから撮影まで、トータルなディレクションが好評と言われるように、フォトグラファーという肩書きには収まりきらない多彩なアートワークに終点は無く、今後は作家活動も視野にあるそうです。ミカさんが触れたり歩いた跡にはお花畑が広がる、そんな魅力を感じました。




野口里佳
作品と写真家は別人格で捉えないといけないのかもしれないけれど、野口さんの作品は生き方がそのまま現れているようで興味深いです。気になっていること、地球のこと、宇宙のこと、未来のこと、立ち位置も、視野も思考もどんどんグローバルにさらに遠いところへ飛んでいっているように思えます。おもしろいのはそうかと思えば今日の夕飯のことも気にされているような生活感を感じること。最新は「光は未来に届く」です。魅力がいっぱいです。個人的にはピンホールカメラで太陽の色をうつすことを試みている「太陽」が好きです。




角田みどり
偶然にも角田さんのランドスケープは行ったことのある場所が多く、それは私だけじゃないだろうな、と思います。あのとき通った道、見覚えのある風景、同じ・・?じゃないみたい。誰もが一度は目にしている場所を被写体にすることはプロフェッショナルの醍醐味なのかもしれません。大勢が行き交う日常の風景が角田さんのフィルターを通すと、ドラマチックに変幻します。人を町を風景をあんなふうに見れてるなんて羨ましいな、と思います。再度あの場所を訪ねたくなりました。角田さんが教えてくれたドラマチック、見つけられるかな。




小嶋 真理
幸せでたまらない日、どうにも気分が乗らない日、今の小嶋さんにしか捉えることのできない感情の記録は、その瞬間のひとコマをそのままだったり、巻き戻して再生したり、被写体を使って投影したり、ユニークでバリエーションに富んでいて今っぽくてかっこいいです。ところどころに見られる悪戯っぽいカットや、キューーンとくる切ない目力は、大人だけど大人になりきれない心の機微そのもの。背伸びや無理のない等身大の写真って意外に少ないんですね。貴重です。




井上佐由紀
作品が生きているように思えます。井上さんのコンセプトや思いに応えるように意志を持って自身の役目を全うしようとしている一生懸命さや「気」のようなものを感じます。グループになるとそこにストーリーが生まれて次の展開を想像しながら楽しむこともできました。鑑賞の醍醐味がふんだんに盛り込まれている作品群です。どの作品も透明感があって美しいので、頭を空っぽにして惹き込まれるままに身を任せ時間を過ごすのも気持ち良さそうです。




喜多村 みか
家族や友達、イベントなど身近なできごとをおさめたスナップ的な作品は、その場の空気感をそのまま記録しながらも、実際の風景に喜多村さんのクールなまなざしがプラスされているのでカッコ良さや味わいが魅力を増しています。同じ日常であってもインスピレーションで捉えた作品はキャプションや吹き出しがありそうな物思う感じ。アート色の濃さが魅力です。さまざまな目線で切り取られているので別人の作品をみているようでおもしろいです。次の引き出しに何が控えているのか楽しみです。




福 山 えみ
あれ?ここ知ってるかも、うちの田舎?やっぱり違うかな?知らない場所だとわかっても独特の目線で切り取られた普通じゃない感じが強烈なインパクトだったのか、心のひっかかりになっていてもう一度見返したくなるんです。特にモノクロームな世界は不思議さや懐かしさがより濃く感じられたのか、ユニークでいいなあと思いました。行き先を決めず旅に出て各駅停車の電車に乗り込み思い立ったところでふらっと降りた町をふうらふうら楽しんでいる、そんな感覚に似ています。次はヨーロッパです。楽しみです。





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アーティストとしても、一人の人間としても魅力たっぷりに輝いている10人の女性写真家たちです。

なんて自由なんだろう。興奮が覚めやりません。自由に生きることの大切さを突きつけられた気がします。

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