Wednesday, October 17, 2012

女性アーティストがクリエイトするコンテンポラリーアート10選



サブカルチャーやファンタジー、マンガやアニメの空気感をともなうコンテンポラリーアートが違和感無く街のあちこちで見られるようになったのはいつ頃からでしょう。隅田川に突如現れた黄金のむにゅむにゅ「炎のオブジェ」(スタルク・作)や直島のカボチャ(草間彌生・作)に「なんじゃこりゃあ!」面白いなあと思いながらやっぱり違和感も拭えなくて感性低いのかなあとか思ったりしたのは…20年前(ギョッ!)。
アートの定義は確実に広がっていてまだまだ伸びシロいっぱいです。
3年前の「neoteny japanー高橋コレクション」という上野の展覧会で幼形を保ったまま性的に成熟する“ネオテニー”という言葉を知って、過渡期にあったアートの変化に「そういうことなのかあ」とモヤモヤが晴れたことも思い出されます。“ネオテニー的感性と高度に成熟した表現力が共存する絶妙なバランスの魅力ーーー”云々。(美術出版社から蔵書も出ています)そんな、ネオテニーにはじまり、まだ名前の無いカテゴリーも生まれる中でアートの定義を更新し続ける偉大な女性アーティスト10人を存分にお楽しみください。



高橋 理子

「モノ作りを通して固定観念や偏見を覆すきっかけを生み出すことを目的にさまざまな表現活動をしています。」とおっしゃるとおり、自らを広告塔とする体を張ったアートワークやクリエイションはお見事です。パワフルでいてクールなカリスマ性、インパクトのあるアヴァンギャルドなプロダクト、モードやニーズを意識したブランディング、斬新で大胆、でも行き過ぎない主張は日常のスパイスにぴったり。実験と検証、ユニークなプロジェクトが満載です。








青木美歌

前回のビエンナーレレポートにも登場しました青木美歌さんです。9月からロンドンの大学院のCeramics & Glassコース で更なる研鑽を積まれています。ガラスの儚さや透明感を生かした神秘的で妖艶なインスタレーションに不透明なセラミックが加わるのでしょうか?新たなマテリアルやテクニック、インスピレーションとのミックスで浮遊する生命に変化がおとずれるかもしれませんね。今後の作品展への期待が高まります。







石井 香菜子

薄い布や透ける素材に淡い色でプリントされた事実がゆらゆら揺れているのを見ると、今立っている場所の時空を超えてきたものが頭をよぎって、今は同時に過去でもあることが浮き彫りになり現在が霞む、そんな自分にさらにユラユラ。自分の記憶+他人の記憶+史実?忘れたくないもの?伝えたいこと?なぜ?何?を考えながら見る楽しさも魅力でした。春の作品展「逃げ水のような」に込められた石井さんの「都市に蔓延している危うさ」もいつか見てみたいです。







田村香織

一見は写実的でファンタジック、少し見つめるとデフォルメされた可愛らしさに気がつき、またミロやガウディのようなデコラティブでオシャレな世界観もあったりして目が離せませんでした。とても緻密な点描やスクラッチのふわふわやキラキラも版画のグラフィカルなモチーフも芸術性が高く素晴らしいテクニックなのに、気取った感じのない親しめるアートとしての空気感も魅力です。12月のタロッロカード原画展が楽しみです。







小林 京子

八ヶ岳の山麓でご自分で和紙を漉いて絵を創作されているそうです。手漉きの和紙を思い思いの色で染めて、暮らしの中で育まれている感情を豊かな自然の恵みや四季のうつろいなどに重ねられた作品はやわらかくあたたかくじんわりという言葉がぴったりです。明るい色も渋い色もすごく深みがあって優しいんです。特に紅色が綺麗だなあと思いました。個々の作品タイトルも情緒たっぷりで「うんうん」とうなずける素敵な表現に心を満たされ、八ヶ岳に行きたくなりました。







ミロコマチコ

描かれたモチーフが何であってもはみ出しまくって、勢い余ってる感じがすごく良いです。ゴツゴツしていたり、不細工であればあるほどチャーミングだし、力を振り絞って手足や羽を伸ばしたり、ガオーッて叫んでいてもどこか運動神経の鈍そうなポージングが愛嬌満点。興味深いのはもの言いたげな動物たちの鋭い目。心を見透かされても平気、ではないからかな?なんだかドキドキするんです。来月のミロコさんの絵本の読み聞かせに興味津々です。







宮永 愛子

同じ時代に生きているはずなのに、この心の成熟度の違いは何なんだろう?と圧倒されるばかりです。またしてもため息の出るような創作活動を淡々と進めておられる奇才に出会ってしまいました。何かひとつの事象に深く深くのめり込み昇華させることへの常軌を逸した執拗さがたまらなく美しく、ただそこにいるだけで世界観を共有できたという幸せに酔いしれます。次は何で見せてくれるのでしょうワクワクします。







川田祐子

「写真や画像ではまったく伝わらない作品」と個展で皆さんが話されるそうです。「まったく」というところがいいなあと思います。“伝わらない”ものは何でしょう?見た目への驚愕とか技術の素晴らしさ?その最たるはオーラのように作品が発しているメッセージ、大袈裟に言えば魂の叫びではないかと想像しています。ソウルフルな筆の動き、神業的なスクラッチやハッチング、キャンパスにのせられた全ての時間をライブでは感じられ見えるのだと思います。







須藤由希子

「繊細で美しい鉛筆画」と、まとめたくないなと思うのは、例えば同じ葉っぱなのに、ある箇所は極々緻密に、ある箇所は輪郭だけだったり、省かれている部分の不思議さや「かわいい」とか「ガーリー」とか言いたくなる空気感、と同時に流れる清らかな美しいものに惹かれたからだと思います。独特の美意識で取捨選択された風景はファンタジーにも見えるんです。岡山で声をかけそびれたことを後悔する今日この頃。







塩田千春

生活の中で、旅先で、現場で…ぶつかる気づきや事実、ふと沸き上がる疑問をすくいあげてアートにできる、それが芸術家の苦しみでもあり醍醐味なんだよ、そんな思いもテーマと一緒に透過して押し寄せてきました。塩田さんの作品は胸をえぐられるような感覚に陥ることが多々あります。それは作家が意図しているか否かは別としてどこか身近で感情移入しやすい題材にあるのかもしれません。過去現在未来の記憶の交信と更新を楽しみました。



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Woman of Artist to Creator

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